ぶどう害虫

ぶどう害虫・ブドウスカシバ

幹の中に入り込む＜ブドウスカシバ＞については注意が必要なので長野県農業関係試験場　ホームページより抜粋して、その特徴を抜き書きした。

＜被害と診断＞
2年生以上の枝に幼虫が寄生する。寄生部分から先の枝や葉が元気をなくし萎れだしたり、時には早くに紅葉しやがて枯死する。枝の寄生部は紡錘形にふくらみ、外皮は赤紫に変色する。被害部の付近から排出する虫糞は糸状につながる。成虫が羽化した後の蛹の殻は半分ほど外に出る。

＜発生生態＞
年1回の発生で、産卵は6月頃、新梢の先端部分の若い蔓や葉の基部に1卵づつされる。ほぼ10日程でふ化し葉柄の基部などから新梢の中に侵入して育ち、7月から8月に脱出し更に太い枝や幹に食入する。
そして、次年の5～6月頃まで幼虫は枝の中で育ち、蛹になり羽化し成虫になり枝の外に出る。
＜防除方法＞
寄生を受けている部分は弱くなっているので曲げると折れやすいのでせん定の時に枝を曲げて確認し、被害枝は切除して焼却する。
夏に衰弱した枝は衰弱した部分の元の近くに幼虫がいるので確認して切除する。
薬剤防除では成虫発生終期の6月下旬～ 7月上旬に殺虫剤を散布する。

ブドウスカシバによる虫食い

虫食い事例１

2015年3月4日

　　幹が太くなっていて、木の粉の様なものを見つけたので、近くの小枝を切って見た。たまたま、虫を発見。太くなった幹の皮を取り去った所、幹に穴があいていて、害虫が確認できたが、幹の中に入ってしまったので、殺虫剤のスミチオン薄め液をスポイトで注入した。幹を切り取って内部を見ようと思ったけれど、枝が生きていない事が確認出来るまで待つことにした。

太くなった幹の皮をむいて下側から見る。穴があり虫がいたが奥に入ってしまった。

上記写真より末端に近い部分の表皮を削ったら、更に幹に穴が2箇所発見。

2015年4月28日　食害により枯れている事が判明

上記部分は4月になっても新芽が出なく枯れている事が分かったので切り取って観察。

葉が出るまで、待って、左側の枝（先端方向）が枯れている事が確認できた。

2015年4月28日　枝の右側が、枝の先端部分方向。

枝を割って内部の状態を調べた。

調査部分１（2015年5月）

2015年5月1日切り取った枝。右側の方が根に近く、生きていた幹。

2015年5月1日３つに切断した。中央の部分は左右が逆かもしれない。

2015年5月1日　左側は、虫がいたが、多分、鋏で虫を枝と一緒に切断した場所？右側に虫がいる。

2015年5月1日（左側）

2015年5月1日　赤色楕円内が虫。（上部写真拡大）

調査部分２　（2015年4月28日）

2015年4月28日　切断個所１で、切断し、更に、30cm位上流の、切断個所2で切断した。

2015年4月28日　切り取った枝。枯れている。

2015年4月28日　調査2部分を下側から見た。２つほど穴があいている。

2015年4月28日　枝の断面。ブドウスカシバの幼虫（？）が見える。

2015年4月28日　取り出した虫。殺虫剤が効いたのか死んでいた。　また、虫は乾燥していた。

虫食い事例2

新枝の内部に虫が進入し、しおれた枝。この枝の場合、1点のみの虫の進入で、被害を受けている。

2015年6月17日

新枝の内部に虫が進入したと思われる箇所の写真（左下）。


2015年6月17日　虫の侵入により、此の場所以降の枝が萎れた。	2015年6月17日　左の写真の虫食いにより、排出されていたもの。