小引佐峠
年 月 日 撮影
「小引佐」の説明板前の分岐を左方向に坂を下るが、直ぐ右には塞神と4体の石仏がある。下り坂は比較的新しい石畳になっており、やがて岩根の集落に着く。天保６年（1835）建立の「薬師堂」（23）と傍らには文化２年（1805）の常夜灯が有る。説明板には「中条姫」についても記されていた。「姫街道」にふさわしく此処でもまた、姫伝説である。しかし、「中条姫」伝説も各地にあるようだ。
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坂を下った地点から道は広くなり、周囲一面にミカン畑が続く。角に「道祖神」と「馬頭観音」がある分岐を左方向に直進し、ミカン畑の中、再び坂を上り左手一面に奥浜名湖が一望出来る地点に到達した（22）。此処から見える半島をプリンス岬とも呼ばれている。
「東名高速浜名湖橋」も眺められる素晴らしい所だ、この附近を「小引佐」（こいなさ）と呼び浜名湖の景色が一番とされている場所である。本日、浜名湖を眺めたのは、「犬くぐり道」、「近藤家墓所」に続いて3度目である。（二宮神社～小引佐迄、1ｋｍ）
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一里塚跡からは下り坂となり、下った先右には巨人伝説の「ダイダラボッチの足跡」がある。琵琶湖を掘った土を運び、富士山を造ったスケールの大きい伝説に登場する巨人の足跡にしては一寸小さい感じである。尤も昔はもっと大きかったのかもしれない。ダイダラボッチ伝説は各地にあるが、この附近では三ヶ日町の北部にも「巨人の足跡」が有る。
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坂を上った右手木立の中に「山村修理之墓」（20）と彫られた石碑がある。「堀川城」落城の時、城将のひとり山村修理は、此処まで落延びてきたが、燃え落ちる城を見てこの地で切腹したと言われている。里人がその霊を弔う為に松を植え「修理殿松」と言われてきた。松は昭和初期に枯れてしまったという。石碑前で、さぞ無念であったであろうと合掌し、此処を後にした。
直ぐ隣には江戸から６９里目の「山田一里塚跡」（21）。案内板には「くたびれたやつがが見つける一里塚」・・・何処かで聞いた事があると思った、東海道「石薬師一里塚跡」にも書かれていた事を想い出した。
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橋の手前を右折し川沿い500～600ｍ先には弘法大師創建と伝えられる真言宗の古刹「長楽寺」がある。梅園と、素晴らしい庭園があり、
「金地院」も知らない寺である、地図で見るとあまり遠くはない。気賀では彼方此方と寄り道をしたので、三ヶ日迄は、街道沿い以外は何処にも寄らないつもりであったが、由緒有る寺のようだ。折角のチャンスである、右折して訪れる事にした。
200ｍ程進み最初の分岐を右へ（18）入り、更に200ｍ程先の分岐を右に進む。そこから約400ｍ程で「金地院」（19）に着いたが、「姫街道」からは凡そ800ｍ位の距離が有りそうだ。想像していたよりやや遠かったが、杉の大木に囲まれた静かな環境の中にあった。
説明板によると、建武年間（1334～7）の草創で臨済宗妙心寺派に属し、後醍醐天皇の皇子宗良親王の妃駿河姫を祀る。姫は井伊道政の娘。延元３年（1338）3月、親王が足利軍との戦いに井伊谷より出陣のおり、姫も同道したが、この地に到って急逝した。当山にて葬送し、以後開基として祀る。明治４３年に本堂他が再建され、昭和３年元妙心寺派管長山田無文老師がこの寺で出家したと、あった
「姫街道」に戻った。緩い坂を上り左手には「二宮神社」が見えてきた。祭神は今訪れた「金地院」に祀られていた「駿河姫」である。「姫街道」と呼ばれる所以の一つであろうか、街道には姫に纏わる伝説が多い。（刑部城址～二宮神社迄、3.1ｋｍ＝寄り道分を含まず）
神社を過ぎると下り坂になり、左に入った所には万葉集にも詠まれた「吾跡川揚万葉歌碑」がある。T字になった所で右折し、今度は坂を上る。此処にも「姫街道」の案内標識が有り迷う事はない。気賀に入ってからは要所々には必ず標識があり有難い限りである。この坂道の様に細い道もあり、地図のみでは心許ないだけに本当に心強い。。